20000HIT 記念企画
 Summer Windfall 後編   
 

結局翌日、あたしは商店街の福引所に内輪の人間だったからという理由で1等の辞退を願い出た。
ところが何を勘違いしたか、そのことに感動したらしい商店会長さんが、コネで行き付けのスポーツクラブの
プールを明日一日貸切にしてもらうから好きに使ってくれと言い出したのだ。
そんな状況で断れるはずもなかった為、急とはいえ仕方なく、本当に仕方なく、あたしはまゆに声を掛けてみた。

☆☆☆

翌日。

「お待たせ、千河。メールしてすぐにプールに誘ってもらえるなんて嬉しいなぁ。ありがとう。」
緑のキャミにベージュのキュロット、足元は肩に掛けたトートバッグと同じ茶色のウェッジソールミュール。
腰の細工革ベルトには緑のビーズがあしらわれていて、その上にチラリとおへそが覗いている。
本当に同じ人間かと思うほどスラリと長い脚も腕も、きっと抜かりなく日焼け止めを塗っているに違いない。
全身に受けた真夏の日差しを倍の明るさで反射して煌めくまゆが、さらにその倍の明るさの笑顔を浮かべながら
小走りで待ち合わせのスポーツクラブにやってきた。
こんなまゆの輝きを見ると、あたしの心はいつもざわついて、冷静でいられなくなってしまう。 ・・・バカ。

「きゅ、急に決まったことで、悪かったわね・・・他に誰も行ける友達がいなかったから・・・」
ふいと顔を逸らして、少し大袈裟に言ったことを隠す。
「あはは。そっか。じゃぁ、ボクが空いててよかったね。」
明るい笑顔でそう言い放たれたら、それがそのままあたしの胸に突き刺さってしまう・・・
ぴょこぴょこと頭の上の2本の尻尾を揺らしながら、まゆは嬉しそうにあたしの手を掴んで入り口へといざなう。

「うわ!高そうなスポーツクラブ・・・」
真っ先にそう思ったあたしと、真っ先にそれを口に出したまゆ。
受付で商店会長さんの名前を出すと、あたし達は地下のプールへと案内された。
プール用ロッカーの手前に『本日使用不可』のお詫びが書かれた看板が立っていたのを横目に中へ入る。
全てのロッカーが貸切で空いてるはずなのに、なんとなく端っこのロッカーを開けてしまい、まゆが嬉しそうに
あたしのすぐ横のロッカーの扉を開けた。

「ちょっとまゆ、なんでくっつくのよ!貸切なんだから広く使えばいーじゃない!」
少し本音だけど、大きな言葉がつい出てしまう。
「えー、いーじゃん。千河が着替えるところ隣で見たいもん。」
なっ・・・!
「バカ!!着替えは更衣室でするに決まってんでしょ!ほら、しっ!しっ!」
「ちぇー。」
学校のプールはロッカーの前でバスタオルに包まって着替えるけど、スポーツクラブには更衣室がある。
そんなの当たり前じゃない!もう!イライラさせるんだから!
あたしの剣幕に押されたのか、変態発言の当事者は2つ隣のロッカーへしぶしぶバッグを入れ直すと、
そのままキャミソールを脱ぎ始めた。

「ちょっ、だーかーらー!!更衣室で・・・」
怒鳴り始めたあたしを、まゆは不思議そうな顔で見つめ返す。
「千河。ボク、着替え慣れてて気にしないだけだから。千河は更衣室行ってきていーよ。」
そう、まゆは水泳部。週に何度もロッカーの前で着替えているのだから慣れているのは当然。
「あ・・・ そっか。まゆにとってはそれが当たり前だったのね。ごめんなさい・・・。」
何が常識か。人や環境によってそれが異なる事も考えずに怒鳴ってしまったあたしは、素直に頭を下げた。

「んーん。ボクこそごめんね。」
服を脱ぐ手を止めずに微笑みかけるまゆは、足を上げてショーツを抜き去り乱暴にロッカーに放り込んだ。
「なっ!バカ!!脱ぎながら話すんじゃないわよ!!・・・ってかなんで隠さないのよ!!」
慌てるあたしに再度きょとん顔を向けながら、まゆがバッグから水着を取り出す。
「千河、早くしないとボク着替え終わっちゃうよ?」
そのまゆの一糸纏わぬ姿に、この春の出来事があたしの脳裏にフラッシュバックする。

そのせいで脳がオーバーヒートしてしまい、あたしは何も言えなくなってしまう。
まゆはその間にも使い慣れた競泳用水着を完璧に着こなし、解いた髪を慣れた手つきで頭の上にピンで纏め
シリコンキャップをかぶって準備を完了する。
「ほら、千河。髪纏めてあげるから早く着替えておいでよ。」
その輝く笑顔にいたたまれなくなって、あたしは無言のまま個室の更衣室へと姿を隠した。

 

☆☆☆

「千河って学校の授業でもそうだけど、結構泳げるんだよねー。いいなぁ。」
チームK所属の水泳部員が、プールサイドスパのジャグジーに浸かりながら一通り泳ぎ終えた今日の感想を
気持ちよさげに投げ掛けてくる。
「水泳部員の言う台詞じゃないと思うけど。」
丁寧に髪を洗いながら、高い天井によく反響する声でそう返答する。

「それより千河。ゴーグルしたままだと髪洗いにくくない?手伝うよ?」
ざばざばとジャグジーから出てきたまゆが鏡越しに接近してくるのが視界に入ると、本能的に警戒してしまう。
「しょーがないじゃない・・・メガネ無いんだから・・・」
あたしの弱点を知ってるくせに、多分まゆは気にもせずに言ってるんだから性質が悪い。
「んー・・・あ、そだ!じゃぁさ、ボクが髪洗ってあげる。千河はゴーグルがずれないように手で押さえてれば
ゴム外せるじゃん。ね?」

なんて合理的な思いつきをするのよ、まゆってば!
そんな事言われたら、断る理由が無いじゃない。
それに、まゆに髪を洗ってもらえる口実になるし・・・
「う・・・じゃぁ・・・お願い。あ、変なことしないでよ!?」
釘を刺すあたしの言葉に、はいはいと答えたまゆがゴーグルのゴムを外し、優しくあたしの髪に指を通す。

さく、と音を立てて、泡まみれの髪束の中にまゆの指が侵入してくる。
しなやかな指があたしの髪を揉むように洗う感覚に、思わず目が閉じて口元が緩む。
座ったまま両手でゴーグルを押さえる奇妙な格好をしながら、項を指が掠めて思わず肩が跳ねた。
先程までゴムで押さえられていた箇所を、丁寧に解すように動くまゆの指に、全身の感覚が集中する。
「う、うまいのね・・・」
にわかに鼓動が高まってきて、自分の顔が映る鏡から視線を逸らしてしまう。
「まぁね。ボクだって髪長いし。それに千河の黒髪、ボクは好きだよ。」
鏡越しにキラキラと微笑むまゆにツッコミたいのに、残念ながら今のあたしは両手が塞がっている。
「ん・・・ありがと。」
そんなあたしの尖った唇から出た言葉は、不本意ながらそれだった。
「うん・・・さて、もういいかな。流すね。」
勢いよくシャワーに流されていく泡が、床を伝って流れていくのをじっと見つめてしまう。
排水溝付近で渦を巻くそれを眺めながら、私の髪に絡まる指が離れていくのが、なんだか少し切なかった。

「はい、おっけー。あは。なんか今日の千河、いつもよりもっと可愛い。」
両手が上がってがら空きの腰にまゆの腕が回されて、背中には冷たくて柔らかい感触。
「ちょ・・・まゆ!卑怯よ!手が使えないのに抱きつくなんて!」
首だけで後ろを向いて抗議しても、まゆは楽しそうに笑いながら一向に離れようとしない。
「あはは。手、離しちゃえばいーじゃん?」
あくまでも笑顔のまま言い放つその言動に、あたしの脳がどんどん赤く染まっていく。

「バカッ!!」
あたしの叫び声が、びりびりと浴室内にこだまする。
驚いたのか、腕に込められていた力が抜けてすぐにあたしは解放された。
「あ、ごめん・・・千河。」
ポツリと背後で零れたその声に、言ったあたしもハッとなり、つい手に込めていた力を抜いてしまう。

ピチャンと音を立てて落ちたゴーグルには目もくれず、あたしは高鳴る鼓動の中で特別な友達に宣告する。
「そんなこと言って。 責任・・・取るんでしょうね?」
メガネもしてないのに自分からこんな事を言うなんて、恥ずかしくて死にそうだった。
向き直って正面に見据えるまゆの顔は、既にゴーグルのスモークの向こうではなく電球の明かりの色。
「うん。取るよ。千河。」
優しいだけでなく、今は少し細められて潤んだ瞳が一気に私に近づき、唇が交わる。
プールに浸かっていたせいで冷たい唇が、あたしのそれを求めて押し付けられる。

「んっ・・・」
久しぶりの柔らかい感覚に、脳がぞわぞわと音を立てながらまゆを求める。
唇で唇を愛撫し、開いた隙間からどちらからともなく舌の先端を絡ませる。
「んんっ・・・ちぴっ・・・」
「ん・・・ちゅ・・・」
お互いに肩に回した手を、少しでも抱き寄せようと力が入ってしまう。

「はぅ・・・れろ・・・あむ・・・」
舌を伝う唾液を懸命に絡め合い、粘度の増したそれを舌ごと吸い込む。
「ん・・・千河、キスすご・・・んちゅ・・・」
だって、しょうがないじゃない。好きなんだもの。触れ合いたいんだもの。
頭がぼうっとなる程キスを繰り返し、お互いを味わう。

やがてまゆの唇は私の頬へ、耳へ、首筋へと獲物を求めるように動き回る・・・
「ふふ。千河。どこ舐めても水の味しかしない。」
私の背中を撫でながら呟いたまゆは、私の水着の肩紐に手を掛ける。
「こっちも、そうなのかな?」
またあたしの唇を啄みながら、軽く引っ張られるように肩紐が二の腕を通って肘に掛かる。
「バ、バカ・・・」
少し呼吸を早くしながら蟲惑的な笑みを浮かべるまゆが、胸パッドの入った部分を、ゆっくりと、下ろした。

そのまま水着を下ろしながら、まゆの舌が鎖骨を伝うと全身にくすぐったさとは違う感覚が走る。
「んん・・・」
つい声が漏れてしまったことに気付き、あたしは慌ててまゆの頭を押さえる。
けど、それでまゆの舌の動きが止まるはずもなく、水着を腰まで下げられながらあたしの上体は小さく跳ねる。
「千河・・・ボクはもっと千河の事、知りたい。 だから、今日はいっぱい教えてね。」
まゆったら、こんな状況でそんな事・・・ずるいんだから。

文句を言いたそうにしているのが伝わったのか、小さく微笑んだまゆが唇で、また私の口を塞ぐ。
やぁ・・・また、キス、嬉し・・・
強く抱き締められると、晒け出された胸にまゆの水着の生地が押し付けられて擦れ、ほんの少しだけ痛い。
「千河のおっぱい、可愛い。 ちょっと冷たいね。」
あたしと自分の胸の間に手を押し込み微笑むまゆに、小さく苛立つ。
「まゆにそんな事言われても、イヤミにしか・・・はぁ・・・」
包み込むように優しく動く掌の愛撫に溜息が出てしまった。

「イヤミじゃなくて本心だよ。 ボクの可愛さと千河の可愛さは別物だから。」
・・・だからそれがイヤミなんだってば。
そんな文句は、まゆの指先があたしの乳首を捉えて転がすように弄ぶ刺激に掻き消されてしまう。
「あっ・・・ま、まゆ・・・」
「ふふっ・・・やっぱり、千河はまだボクの知らない千河を隠してる。そんな声、聞いたこと無いもん。」

両方の乳首を摘ままれ、鳩尾や脇腹を舌でなぞられ、あたしの身体は自分でも知らないほどの快感に包まれる。
「あっ、んっ・・・当たり前、じゃない・・・好きな人にされて、嬉しくないわけ、あんっ!」
ぬるりと温かい感覚に乳首が包まれ、無意識に甘い声が出てしまう。
「そっか。よかった。嬉しい、千河。」
眩い微笑を浮かべたまゆはあたしの腰に手を回し、また水着を下げようとする。
それ以上下げるってことは・・・そーゆー事、よね?
うん。いいよ、まゆなら。・・・あたしの特別な人だから。

椅子から少し腰を上げたあたしの気持ちをいち早く察知したまゆは、水着をその僅かな隙間から引き下ろした。
足首まで下げられたそれを、あたしは顔を背けながら抜き去る。
でも、その代わりといっては何だけど、あたしにも妥協できないことが一つある。
「まゆ・・・まゆも、脱いで。」
自分でも想像できないような囁き声でまゆの耳元におねだりすれば、それはいとも簡単に叶う。
「うん。いいよ。」
脱ぎ慣れた水着を、まゆは1・2・3で脱ぎ捨てる。
いつか見た、スレンダーでしなやかなまゆの裸。

「千河。おいで。」
膝立ちのまゆが腕を広げて私を招き入れる。
愛しさに撃ち抜かれ、私は何も迷わず飛び込んで口付けを交わす。
重なった柔らかな胸の奥の鼓動が、直接私の胸に伝わってきて、何故だか涙が出そうになってしまう。
「まゆ・・・好き。大好き。」
「うん。ボクも、千河の事大好き。」

お互いの気持ちを確かめ合って微笑む。
冷たい床に仰向けになっても、私の胸の奥の気持ちは熱いまま。
まゆの笑顔が天井の明かりを遮り、あたしの胸を豊かなおっぱいで圧迫しながら口内に舌を挿し入れて来る。
「ちゅ・・・はむ・・・ん・・・」
舌だけでなく、右手の指をまゆの指に絡めて離すまいと握り締めれば、まゆの手からも同じ力が返って来て
安心してしまう。
お腹や腰、腿を撫でる手がいつの間にか私の脚の間に来ていることには、もはや疑問など無かった。
まゆなら、大丈夫だから。

指先がほんの少しそこに食い込んだだけで、あたしの身体は意志とは無関係にぴくんと跳ねる。
「千河、今の顔可愛い。もっとしちゃうよ?」
「バ・・・バカ・・・」
目を細めて、見たこともない淫靡な微笑を浮かべるまゆに、返答など出来るはずもない。
ゆっくりとまゆの指があたしの割れ目をなぞり上げると、腰が浮くような快感が巻き起こる。
「んっ・・・」
あたしの表情を見つめるまゆの顔が近くて、零れる吐息さえ絡み合うよう。

自分でしか触れたことの無い場所を、まゆの指が柔らかく探る。
「まゆ・・・」
「千河?大丈夫?怖い?」
心配そうに囁くまゆの唇は、私の耳たぶをその間に挟みこむ。
「ん・・・大丈夫。続けて・・・?」
それを合図に、まゆの指があたしのクリトリスを包皮ごとこねまわす。
「ひぁ・・・あ、ふ・・・」
ナニコレ、自分でするのと全然違う・・・
喉から勝手に声が溢れ、腰が動き出す。

「あは。千河の声、可愛くなっちゃってる。 ボク、自信なかったけどよかった。」
「だって、ん・・・まゆに触られたら、嬉しくて・・・はぁ、勝手に、声、でちゃうの・・・」
恥ずかしい事を言ってるとか、そんな事は気にならなかった。
ただ、何も纏わない本当のあたしを、まゆは受け止めてくれるから。
今は、全て委ねてしまっていいと思えるから。

「嬉しい、千河。 千河がボクの事信じてくれて。」
そう言うと、まゆは一旦顔を離してあたしの乳首を咥え、クリトリスを弄ぶ動きを細かくする。
「あっ、まゆ、あぁん・・・やだ、激しすぎ、んぁっ・・・」
刺激の強い場所だけでなく、まゆと肌が触れている場所全てから愛しさを感じる。
「ふふ、いっぱいぬるぬるしてきちゃったね。」
「バ、バカ、あっ、言わないで・・・よぉ!」
絡まる指に籠もる力が、押し寄せる波に比例して強くなっていくのを自ら感じ取る。
「千河、すごい、身体熱くてびくびくしちゃってる。」
「うっ、あはぁ、やぁだ・・・まゆの指、すご、あんっ、すごいから・・・」
まゆの指が、小陰唇の間を小刻みにこね回し、クリトリスを擦りあげる。
その動き一つ一つがあたしの快感を引き出して、高みへと押し上げていく。
「そんな、あ、も、や、イッ、イッちゃう、まゆ、ダメ、あ、あはぅっっ・・・!!」
あたしに重なるまゆの身体を跳ね除けるほどの深い絶頂に、全てが白く包まれた気がした。
何度も身体が震え、強く閉じた瞼の向こうを忘れるほどの快感に、全身の感覚が奪われていく・・・

「千河・・・大丈夫?」
小さく一度キスを落とされたのに気付いてようやく瞼を開けたとき、そう問いかけられて霞んだ脳が再起動する。
「っ・・・バカ・・・」
こんな顔のまま見つめ合うコトなんか出来なくて、やっぱり目を逸らしてしまった。
その言葉を聞いたまゆは安心したように微笑むと、私の背中をそっと抱き起こす。
床のせいで冷えた背中に、まゆの手はとても温かく感じた。

 
☆☆☆

スポーツクラブのカフェには疎らながら人がいて、ゆったりとしたBGMに包まれながら思い思いのひと時を
過ごしているよう。
「ねぇ、千河。」
あたしの横でグレープフルーツジュースのストローを吸っていたまゆが嬉しそうに微笑む。
「なによ?」
なんだか、今日のまゆはずっとニヤニヤしてて気持ち悪い。・・・気持ち悪い微笑じゃないけど、気持ち悪いの。
「明日はどこ行こっか?」
「な、もう明日の話!? もっと、今日泳ぎに来た事とか・・・ないわけ?」
ホントに、あんな事しておきながらデリカシー無いんじゃないの?
「え、今日の事、こんな場所で語っちゃって良いわけ? じゃ、遠慮なく・・・」
「わーーっ!!バカじゃないの!?やめなさいよっ!」
思わず立ち上がってまゆの口を塞ごうとしたけど、はしゃぐように腕で防がれてしまった。

「なに? 思ってたより千河の泳ぎが上手だったなーって言おうとしただけなのに・・・」
なっ・・・!
そ、そんな眩しい笑顔に騙されないんだからっ!
絶っ対っ!今の言い方はわざとね!?
「だって、今日泳ぎに来た感想、って言ったのは千河じゃん・・・」
「う、うぐく・・・」
そ、その通りだわ・・・なに舞い上がって自爆してんのよあたし!

「ふふ。楽しかったなー。・・・で、明日は?」
「う、うるさいわね!今晩考えとくわよ!」
あたしはガコンと力強く、空になったオレンジジュースのグラスをテーブルに置いた。
「うん。楽しみにしてるよ。」
そういって差し出されたまゆの手を、あたしはテーブルの下でそっと握り返した。




fin

 

 

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