Look at me その19★


放った弾は見事に右の薔薇を掠め、それはポタリと地面に転げ落ちた。
「お、お嬢様・・・何を・・・?」
自分の右肩で起こった事態を、後ろ向き目隠しの瑠奈さんが把握できないのは当然のこと。
「いいから、まだ動かないでね。」
少し声のトーンを落として、瑠奈さんへの戒めを続ける。
狙う左肩の上の薔薇は、先程より少し小さく見える。
それでも臆さず、私は引き金を引いた。

「あっ!!」
悲鳴を上げた瑠奈さんの身体が、突然の痛みにビクンと跳ねた。
「もう、動かないでって言ったのに・・・危ないわ、瑠奈さん。」
胸の奥に込み上げる高揚感で、自然と唇が持ち上がってしまう。
「そ、そんな・・・申し訳ございません。」
無実の罪に対して反論することを諦めた瑠奈さんの背が、ほんの少しだけ丸くなる。

「それに瑠奈さんが動いたから、次を撃つ前に薔薇が落ちてしまったわ。どうしようかしら。」
銃の先端で、瑠奈さんの答えを急かす様にテーブルをコツコツと叩く。
「わたくしが・・・的になります。」
目隠しの奥で悲しげに目を伏せる様を想像し、性的な快感にも似た興奮が脳内を駆け巡る。
「あっはは。じゃ、遠慮なく行くわよ。」

相変わらず勢いの無い弾丸を、全て瑠奈さんの下着の上から命中させて多少は痛みを軽くしたつもりでも、
やはり痛いものは痛いはず。
身悶え耐える瑠奈さんの、その艶めかしい仕草に胸が熱くなる。
「ふぅ・・・こんなに大きな的じゃ、全部当たって当然ね。つまらないわ。」

私は立ち上がってトランクにエアガンを戻し、瑠奈さんのブラホックを外す。
弾が命中した箇所が微かに赤くなっているので、私は舌でそれをなぞる。
「ん・・・」
瑠奈さんの腕を操りながらブラを抜き去り、ショーツを太股まで下げる。
「あん・・・瑠奈さん、綺麗な肌ね。」
お腹と太股を優しく撫でながら囁くと、瑠奈さんが小さく桃色の溜息を漏らす。
「はぁ・・・光栄にございます。」

私は一度瑠奈さんを立たせ、引っかかったままだったショーツをブラと共にテーブルへ放り投げる。
「さて、瑠奈さん。さっき花を摘み取ってしまったんだけど、そのお詫びとして、木に水をあげて頂戴。」
「はい。畏まりました。では、準備を致しますので目隠しを・・・」
少し明るさを取り戻した瑠奈さんを遮るように、脇腹に人差し指を突き刺す。
「きゃぅっ!」
「慌てないで、瑠奈さん。水ならあるわ。」
逃げるように身を捩った瑠奈さんが不思議そうに、塞がれたままの瞳を私に向ける。

「ほら、ここにあるでしょう?」
私は瑠奈さんのおへその下辺りを撫でながら、肩に唇をつける。
「え、そ、そんな・・・奥様に知れたら大変なことに・・・」
その言葉を聴いた私の鼓動が、一度だけ邪悪な唸りを上げた。
夜の中庭に響き渡るほどの音を立て、私の平手を受けた瑠奈さんのお尻が弾ける。

「なら、ますますしてもらわないと。いいわね?」
「あぁっ・・・いけません、お嬢様。恥ずかしいです・・・」
『守銭奴』に知られたくない事より、出るかどうかという事より、見られることが恥ずかしいと言う理由。
そんな瑠奈さんの本音が、私の心を更に燃え上がらせる。
「大丈夫よ。だって、瑠奈さんには自分がしてるところは見えないんだから。」
「違います・・・お嬢様に見ら、あぐ・・・」
わかってるわよ、そんなこと。
私は聞く必要の無い言葉を出させない為、瑠奈さんの口内に指を2本滑り込ませる。
一瞬、頭を反らせたものの、暖かくぬめる舌が心地よく私の指に絡みつく。

「さぁ、ね、瑠奈さん。」
木に近い位置に一歩踏み出させて肩を押し下げると、瑠奈さんは自然と発射の構えを取る。
私は空いた手で瑠奈さんの乳首を摘まみ、指先で弄ぶ。
「ちゃんと見ててあげるから。」
「やぁぁ、こんなところ、ダメです・・・」
しっとりと汗ばむおっぱいが私の掌の汗と溶け合い、まるで吸い付いてくるよう。
瑠奈さんの肩越しに地面を覗き込むも、まだ出る気配は無い。

もう、仕方ないわね。

 

 

 

 

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