Beams その8★


ブラを持ち上げ、ゆっくりと息を吸いながら頭から抜く。
お風呂上りで血行も良く、薄桃色に染まった卵肌にはいつもと同じくホクロも吹き出物も無い。
身体を捻るように背中も鏡に映してみても、しなやかな筋肉にしっとり滑らかな肌。
部屋の明かりが作る影と肌の色のコントラストに、溜息が出るほど魅入ってしまう。

「ふぅ・・・」
小さく息を吐いて前屈し、掌で太い血管の浮き出た足の甲を撫でる。
そのまま足首を通過してすべすべのふくらはぎ、膝、腿を経てから、腰に手を当て仁王立ちのポーズ。
緩やかな直線とも言うべき脚を司る、張りのあるヒップの上でキュッとくびれたウエストは、169cmの
身長の中心部分としては、我ながら頼りないほどの細さ。
全身をくまなく撫で回して、ボクはボクの滑らかな肌を熱く染めてゆく。

美しい・・・
ボク自身を構成している曲線の数々に、少しずつ呼吸が速くなってくる。
横を向き、背伸びをするように後頭部に両手を当てると、水泳で鍛えている胸筋に支えられたDカップの
お椀型のおっぱいがその存在を誇示する。

無理な姿勢をとったせいか、鼓動も速くなってきた気がするなぁ・・・
心臓に手を当ててみると、うん、間違いない。速くなってる。
それを確認した手で、ボクはおっぱいのふくらみを下から支えるように包み込み、優しく撫でる様に揉む。
「ん・・・」
肺の奥から押し出された空気に、僅かに声が混じる。

柔らかい重さを受け止めながら、ほんの少し力を込めるだけでボクのおっぱいは形を変え、白い溜息が零れる。
周囲の皮膚よりも少しだけ色の濃い先端部分を両方同時に指でなぞると、ぴくんと背筋が跳ねる。
「んんっ・・・」
触れるか触れないか、乳首を掠めるような指の動きにボクのそれは徐々に反応し始める。
「んふっ・・・」
つい唇の隙間から声を漏らしてしまったその瞬間、閉じていた目を少しだけ開く。

眉根を顰めて薄く開かれた目は切なげで、声が出たままになったふっくら唇は少し開いていて、
上下するお腹のペースは少し速くなっているボクが、そこにはいた。
あぁ・・・ボク、感じてる・・・
感じてるボクの顔、エロいよぉ・・・
胸の奥がきゅぅとして、ゾクゾクと妖しい快感が脊髄を走り抜ける。

指で擦りあげられてすっかり固くなった乳首を鏡越しに見詰め、更に指で転がすように攻め立てる。
ボクの指がもたらす快感を、上半身がさらに求めるようにくねってしまう。
はあはあと息を荒げながら、ボクは左手で右肩を、右手で左腰を抱きしめる。
柔らかいおっぱいで腕を受け止め、ボクがボク自身を包み込む感覚に酔いしれる。
「あっ・・・ボク・・・」
水泳をしているからか、ボクの肩幅は抱くには少し広いかもしれない。
それでもバストサイズがあるからバランスよく見えるなんて、まさに芸術だ。
サイコーだよ・・・ボク・・・

ひとしきりボクへの想いを打ち明け、ブラとお揃いの色だったショーツを下ろして長い脚から抜き去る。
「はぁ・・・こっちも、確かめないと・・・」
鏡台に右足を乗せ、水泳の為にと綺麗に処理しているVゾーンを鏡に向ける。
左手でおっぱいを撫でながら、ボクの右手の人差し指が、最も敏感な部分に食い込む。
「んっ・・・ふぁっ・・・」
そのまま何度か指で捏ね回すと、指先にぬるりとした液体がまとわりついたことに気づく。
「あぁっ・・・ボク、濡れちゃってる・・・」
わざわざ指を目の前にかざして、鏡の中のボクに見せ付けるように呟くと、鏡の中のボクが艶っぽくボクを
流し目で捕らえた。
ドキドキと鼓動が強くなってきたことに堪らず、ボクはその指でボクのクリトリスをゆっくりとなぞる。

「あっ・・・くっ・・・んんっ・・・」
包皮の上から転がされて徐々にその存在感が現れて来ると共に、腰から伝わる快感が強まってくる。
「はぁ・・・はぁ・・・」
膣口から溢れる愛液を指で絡め取り、無臭の香りを堪能するボクの表情はすっかり発情しきっていて、
朱に染まった頬の熱さが見ただけで感じ取れる程。
「どうしよう・・・ボク、エロい顔しちゃってるぅ・・・」
更に身体を鏡に近づけ、鼻先で微かに震える指に伸ばす舌を凝視する。

ほんのちょっぴり鉄のような、しょっぱいような、ボクの味を感じた舌が濡れ光る指を這い回る。
「ちゅっ・・・はむ・・・んちゅっ・・・」
ピンクの舌がボクの白い指を愛撫するように、新たなぬめりを纏わせる。
ボクは二つの液が混ざった指で、それを待ち望むクリトリスの先端を撫でる。
「あぁっ・・・くふっ・・・うん・・・」
その小さな場所から駆け巡る快感に、大きく全身がわななく。
鏡越しに、その場所で円を描くように動く指の隙間から時折覗くボクのクリトリスが翻弄されている様子に
ボクの胸の奥が熱く苦しくなってくる。

「あ、あぁ、そ、そろそろ・・・」
そのまま続けたい気持ちを堪えて引き出しから折りたたみミラーを取り出し、ボクは心許無い足取りのまま、
すぐ横にあるベッドに転がるように仰向けになる。

 

 

 

 

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