Jack-o'-Lantern comes to her e   その9★

 

 

それは、本当にゆっくりとだった。
私よりも細くて短い、何度も手をつないだ指のうち一本が、私の様子を探るように入って来る。

「んっ・・・」
痛くはない。
理美ちゃんの指先が少しずつ動きながら私の中を奥へと進んでくるのが、はっきりと分かる。
「氷音先輩、大丈夫? 痛ない?」
「うん、大丈夫。」
嫌な感じじゃないし、苦しくもない、かといって気持ちいい訳でもない。

ただ、やっぱり理美ちゃんの優しさが、とても嬉しい。
私の不安を紛らすために何度も頬や顎や唇にキスを降らせながら、それは程なくして終わりを迎える。
「氷音先輩、すごい、あったかい。」
理美ちゃんの感想に、またしても顔が熱くなる。
「そんな事、言われても・・・」
答えようがないのに、と、そこまで言葉は続かなかった。

「少しずつ、動かすで?」
遠慮がちに動く指が、もどかしいような、切ないような、鈍い感覚を刻む。
それから、口付けを一つ残した理美ちゃんは、指を入れたままのその場所へと顔を近づける。
「氷音先輩、これから、気持ちよくなるからな?」
そう言って私の脚の間から微笑んだ理美ちゃんが、伸ばした舌で私のクリちゃんを撫で回す。
「あっ、理美ちゃん、んんっ・・・」
先日発覚した私の弱点を理美ちゃんの舌先が何度もくすぐってきて、腰に力が入ってしまう。

「あー、氷音先輩の中、きゅぅーって、ふふ。」
あぁっ、理美ちゃんに笑われてる。
きっと、私がえっちな反応をしているに違いない。
でも、しょうがないじゃない!
勝手に身体がそうなっちゃうんだから!

「ほら、もっと感じて。」
理美ちゃんの指が、私の膣内を、さっきまでよりも大胆に、円を描くような動きで掻き回す。
「んー・・・っ、なんか、なんか、あっ・・・」
クリちゃんを刺激されながらだから、その周囲に何をされても快感にすり替わってしまっている。
「こんなに動かしても大丈夫なんや。 どう?氷音先輩、気持ちえぇ?」
その言葉と、声の発生源の近くから発せられる粘っこい音が、絡み合ったまま届いて鼓膜を震わせる。
「う、んぅっ、クリちゃん、ダメ・・・ はっ、理美ちゃんのせいで、気持ちよくなっちゃ、うっ・・・」
体内に渦巻くピンク色の波に必死で抗いながら、答えを返す。

「あは。氷音先輩の口からクリちゃんなんて言葉、聞けると思てへんかった。」
「だ、だって、はんっ・・・」
理美ちゃんが急に指を抜いたので、言葉と体が同時に跳ねた。

「あん、氷音先輩のここ、さっきより少し拡がって、ほら、えらい溢れてるで。」
ちゅちゅっと、音を立てて膣口を吸われ、意識が飛びかける。
「やぁぁ、理美ちゃん、恥ずかし、ってば・・・」
「なんで? 氷音先輩がいっぱい感じてくれて、ウチは嬉しいで?」
そういう問題じゃないのに、再び指が入って来た時には、それだけで腰がくねる程気持ちよくなってしまった。

「好きなもん同士やから、こんなに感じるんやで、氷音先輩。」
そう言われて、あぁ、やっぱりそうなのか、と納得する。
安心できる人じゃなかったら、身体を委ねる事なんて出来はしないし、好きな人でなかったら触れられるコト
すらお断りしたいもの。
私は、理美ちゃんが好きなんだ。

「うん。理美ちゃん、好き。」
「氷音先輩、ウチもや、ウチも氷音先輩の事、大好きや。」
口に出した途端、想いに歯止めが利かなくなった。
理美ちゃんの指と舌がもたらす快感に、身体も心も、酔い痴れてしまう。

「あんっ、理美ちゃん、もっと、してっ、あはぅっ・・・」
「うん、はぁっ、いつでもイッてえぇで、氷音先輩。」
ぐちゅぐちゅとはしたない音を立てられながらお腹の中を掻き回され、全ての刺激に敏感になったクリちゃんを
抉るように舐められ、転がされて、あっという間に私の脳がオーバーヒートする。

「あは、理美ちゃ、ダメ、激し、過ぎ、はぁぁっ!」
「はぁ、はぁ、氷音先輩、好き、好き過ぎて、止まれへん!」
パンっとガラス窓が割れるように、意識が弾けた。
全身が激しくわななき、何度も腰がうねる。

「はぁぁぅっ! はっ、はぁぁ〜・・・」
ガラスの向こうの白い世界に放り出された意識が、止まらない快感に再び持ち上げられる。
「やっ! 理美ちゃ、ダメ、苦し、あぅっ!」
過呼吸になってしまいそうな朦朧とした感覚に快楽が入り混じり、私は休むことを許されない。

「無理、やっ、また、また、あっ、あはぁぅっ!」
白いだけじゃなくて、ちらちら星が舞う世界にまで、私は吹き飛ばされてしまったみたいで、再びがくがくと
身体が痙攣する。
「あぁん・・・氷音先輩、すごい。 連続でイッてもうてる・・・」
目を強くつぶってしまっている私には見えなかったけど、満足そうな笑みを浮かべた理美ちゃんは、体内に
指を収めたままそっと私を抱き締めた。

「氷音先輩、素敵。 好き。 ありがとう。」
荒い呼吸を吐き出す私の口に、柔らかくて湿った、唇。
「やだ、理美ちゃん、今、見ないで。」
散々恥ずかしい思いをしたのにまだ恥ずかしさを感じる事が出来るみたいで、私は火照る頬をぷいと背ける。

「えぇやん。 イッた後の顔みせてー。」
「やだ! 絶対変な顔してる!」
慌てて顔を覆うも、たった一本の指の動きで私の動きは止められてしまう。
「じゃぁ、見られるまで何度でもするでー、にひひー。」

ジャック・オー・ランタンの悪戯は、留まる所を知らない。
・・・らしい。


 

 

 

 

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