Look at me その9★


私の影に遮られたのは、くの字に曲げたままの白い背中から続く丸みを帯びたお尻。
手錠の鎖で引っ張ってしまい、自ら食い込ませてしまった黒いショーツの股間部分の内側に指を差し込むと、
熱い空気にぬるりとした感触。
「ちょっと、瑠奈さん?痛い痛い言ってるのに、なんでこんなに濡れてるわけ?」
2度撫でたお尻を平手で叩くと、小気味良い音がして瑠奈さんの背中が跳ねる。
「あうっ! そ、それは・・・」

言いよどむ瑠奈さんの、しっとりと汗ばんだお尻を更に2度叩く。
「本当は、好きなんでしょう?」
瑠奈さんの横から上気して泣きそうな横顔を覗き込むと、ちらりと合わせた視線をすぐに逸らす。
「お、お嬢様だけ、ですよ? こんなことされてもいいのは・・・」
その一言は、私の顔を一瞬で赤く染め上げる。
なによ、それ・・・。
私は小さく鼻を鳴らすと、さっきまでいた場所に戻って瑠奈さんのお尻をぺちぺちと連打する。
そして、持ってきていたローターを瑠奈さんのショーツの股間の内側に押し込む。

「ありがとう、瑠奈さん。じゃぁ、そろそろ気持ち良くしてあげる。」
冷静さを取り戻し、私はコントローラーのダイヤルを回す。
「あんっ!はあぁっ!」
機械の振動音が始まると、ビクンと瑠奈さんの腰が震えて全身がわななく。
「うっふふ。瑠奈さん、綺麗よ・・・」
私は瑠奈さんの背中と、叩かれて赤みが差したお尻を撫でながら、その行為に酔い痴れる。
コントローラーを後ろ手に繋がれた瑠奈さんの手に委ねて、私は椅子に戻り脚を組む。

艶めかしくくねる身体に再びスポットライトを浴びながら、快感に歪む顔を上げた瑠奈さんは
縋るように私を見上げる。
「瑠奈さん、どぉ?気持ちいい?」
じりじりと込み上げる高揚感に、わずかに声が上ずる。
「はぁ、はい・・・でも・・・」

『でも。』

その言葉に、私の眉がわずかに動く。
「足りないの?贅沢なのね。」
椅子から立ち上がって瑠奈さんの熱い頬に手を添え、触れんばかりの位置から瞳を覗き込む。
「も、申し訳ございません・・・」
「じゃあ、瑠奈さん、お願いするなら膝をついてしないと。」
覗き込まれた目を逸らしながら、瑠奈さんは素直に膝をつく。
更に私は両肩を押し下げて床につけ、屈みながら瑠奈さんの頬に掛かった髪を払ってあげる。

窓に向かってお尻を突き出した姿勢の瑠奈さんを、静かに立ち上がって見下ろす。
「あ・・・こんな格好・・・」
「さぁ、お願いしてみて?今なら叶えてあげられそうよ。」
頬を床に着けたまま私を見上げ、躊躇うように言葉が紡がれた。
「わたくしを・・・月の高みへ、連れて行って下さいませ・・・」

瑠奈さんのおねだりに口元が緩み、忍び笑いがだらだらと零れてしまう。
「いいわよ。頑張ったものね。」
私は瑠奈さんの頭を一度だけ撫でてから後ろに再び回りこみ、脚を少し開かせる。
愛液がまとわりついたローターを一度月光にかざしてから、私は瑠奈さんにこう告げた。

「連れて行ってあげる。あなたを月へ・・・」

 

 

 

 

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