Rainy pink その10★


「お待たせ〜。」
「なによぅ、こんな時に〜。」
大人しくベッドで待っていた海佳には、その短い時間でさえも、放置が気に入らなかったみたい。
私はご機嫌取りアイテムを手に空中を泳ぎながら、再び海佳に馬乗りになる。

「海佳の大好きなプ・リ・ン♪」
赤いロゴと中身が描かれたフタを取り去り、プラスチックの小さなスプーン片手に逆襲の微笑を浮かべる私。
「す、好きだけど・・・ホントに?」
少し首を傾けて、空中に構える私を流し目で見つめる海佳の視線と白い首筋にドキッとする。
「うん。食べさせてあげるから。ね?」
その意図を汲み取ったのか、海佳は顔の横に両手を握り締め、肘で自分のおっぱいを寄せる。

「えいっ!」
逆さまのカップの底面に尖った出っ張りを、プッチンと折り、それは海佳にぽとんと着地した。
「あっ!冷たっ!」
海佳の鳩尾に着地したそれは、一筋のカラメルソースを海佳の左脇に流しながらふるふると揺れている。
「あー!ダメダメ!」
慌ててカラメルソースをスプーンで脇腹から掻き戻すと、海佳がくすぐったさに身をよじる

「きゃあうっ!」
「み、海佳、暴れないで! 雨で布団洗えないんだから、絶対こぼさないでよ?」
「お姉ちゃんが急に突っつくからぁ!」
胸に出来た3つ目の山を見つめながら、海佳は口を尖らせた。
プリンは海佳の鼓動と呼吸に、小刻みに震え続けている。
「ふふ。ごめんごめん。」
先程滴ったカラメルソースの跡を、舌でなぞりながら謝る私に動きを封じられた海佳が身を固くする。

「ん・・・」
「はい、あーん」
慎重に、海佳の口にスプーンの先端を運ぶ。
小さく口を動かす間も、少しバランスの悪くなったプリンから視線を外さない。
私が言った一言で、海佳は完全に縛られてしまったのかもしれない。
「おいしい?」
「・・・普通。」
微かに頬を染めながら縋るような視線で答える表情が、逆転成功したことを教えてくれた。

「そお?」
そう言ってスプーンの先端がわざと海佳の肌を引っかくように、次の山崩しを行う。
「おいしいよ。海佳の胸に乗ってるんだもん。」
スプーンの感触に身体を反応させる海佳を妖しい笑みで捕らえながら、それを自分の口に運んで感想を述べる。
「ば、ばかぁ・・・」
ふいと顔を逸らす海佳の可愛さが、私をヒートアップさせる。

三口目を頬張ると、残り4分の1になったプリンはバランスを失い倒れてしまう。
私は上体を海佳に預けて、口に含んだプリンを、次の一口を待つ口に流し込む。
「んふ・・・」
私の舌を伝って流れ込んだ塊を二人の舌で咀嚼し、海佳は飲み下す。
「はぁ・・・はぁ・・・今度のは、おいしかった、かも・・・」
語尾は殆ど聞こえなかったけど、海佳は満足してくれたみたい。

そして最後の一口になるはずだった残りは、二人の胸の谷間に潰され無残な姿になってしまっていた。
掬い取ったそれを海佳の乳首にのせて、すぐさま土台ごと口に含む。
「あっ・・・」
予期していなかった海佳の身体が跳ねる。
舌で柔らかいプリンと硬い乳首を混ぜ合わせると、ぴくぴくと海佳が震える。
味なんか分からない。
私の口の中でプリンまみれの乳首を弄んでるという行動が、狂おしいほどの興奮を呼び起こす。

「あん・・・お姉ちゃん、はっ、それ、ヘンだよぉ・・・」
プリンの緊縛から開放された海佳の両手が私の頭に添えられる。
空いていた手でもう片方の乳首を優しく撫でると、瞬く間にそれは硬くなってしまう。

「ん・・・おいしかった。ごちそうさま。」
既に液体になってしまった固体を嚥下し、私は最初の落下地点だった場所を舌で洗った。

 

 

 

 

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