Rainy pink その17★


「ふう・・・」
足を完全に伸ばせる程じゃないけど、アパートのそれよりも格段に広いバスタブに身体を沈めると
運転で疲れた身体から、適温のお湯に疲労が溶け出していくよう。
やっぱり狭いお風呂って、のんびり出来なかったなぁ。
両手ですくい上げたお湯を肩に掛けながらしみじみ思う。
来週からは自動車免許を取るための学校にも通わないといけないし、忙しくなりそう。

小さく溜息をつくと、ノックもなしに浴室の中折れドアがズバーン!と開いて全裸の海佳が飛び込んできた。
「お姉ちゃーん。入るよー。」
「もう入ってるじゃない。」
「結婚生活には、こーゆーサプライズも大事なの。」
けっこ・・・
もう、気が休まる暇もない。
これじゃサプライズじゃなくて、まるでジェットコースター。

小さく溜息をつくけど、今度は先程ついたのと理由が違う。
だって、口元が緩んでるのが自分でも分かる。

「さー、洗うよー!どんどん背中洗っちゃうよー!」
スポンジにつけたボディーソープをわしゃわしゃと泡立てながら言う海佳の笑顔は子供みたい。
「ぷっ、何それ。」
観念した私は、バスタブから出て鏡のほうに向かって椅子に座る。
「へい、らっしゃい!背中流し一丁!」
何ごっこなのか分からないけど、嬉しそうな海佳が鏡越しに私に微笑みかける。

海佳は丁寧に背中を洗い終えると、私の右側に少し移動して腕を抱きかかえる。
されるがままに、海佳が私の腕と脚を洗うのをボーっと眺める。
鼓動が少しずつ高まってきているのに気づいたのは、既に左側に回りこんだ海佳が洗い終えた時だった。

「海佳。あとは自分で・・・」
そう言いかけた私の背中に海佳が抱きついてきて、嬉しそうに囁く。
「まだ終わってないよ。」
私の耳元で大きく息を吸う海佳のお腹が膨らんだのが背中に伝わってくる。
その体勢のまま海佳のスポンジが私の鎖骨の辺りを擦る。
「ちょっと、背中流しだったんでしょ?」
困惑する私に、海佳は鏡の向こうから妖しく微笑みかける。

「ここから先は延長サービス。」
私の脇から手を入れてお腹も洗ってくれる海佳のおっぱいが、背中に柔らかく押し付けられる。
「まったく、どこでそんな言葉覚えてくるの?」
スポンジの泡を絞り、それを両掌に載せた海佳は、私のおっぱいを包み込むように撫で始める。
優しいタッチで泡をまぶされ、思わず目を閉じてしまう。
耳元に聞こえる海佳の呼吸は、徐々に艶を帯びて弾んでくる。

海佳の手にこもる力の具合が少しずつ変わってきて、掌で乳首を転がされるような動きになると
私の胸の奥に力が入ってしまう。
「お姉ちゃん、乳首気持ちイイ?」
囁かれた声に含まれた呼気が私の耳をくすぐる。
「ん・・・うん・・・」
私が答えると、海佳は私の乳首を指で摘んで小刻みに擦る。
「ふふ。硬くなってるもんね。」
私の背中に当たる柔らかい感触の中に、2箇所だけ硬い感触が現れる。
「海佳だって。」

海佳は、髪を上げている私のうなじに何度もキスをしながら執拗に乳首を愛撫し続ける。
「ん・・・はあ、海佳、気持ち良くなってきちゃう・・・」
「ん。なって。お姉ちゃん。」
私が首を右に傾けると、悩ましげな表情の海佳がやってきたので唇を重ねる。
胸の奥が苦しくなって、力が抜けてしまいそうになるのに耐える。
海佳の右手が下がってきて、私の内腿に泡を擦り付ける。

キスを繰り返しながらも、海佳の『身体を洗う』ということに託けた愛撫は優しく私を溶かし続ける。
「さ、お姉ちゃん。座ってたら洗えない所あるから立って。」
もはや、私にはその声に逆らうことは出来なかった。
熱に浮かされたように立ち上がる私と一緒に、海佳も立ち上がって私の後ろに回りこむ。
と、お腹を手で支えられたまま、ぐっと背中を押される。
「お姉ちゃん、鏡の横に手ついて。」
え・・・こんな格好・・・?

 

 

 

 

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